別の場所でちらりと書いたセリフだけで進むお話に
地の文を付加してそれっぽく って思ったけど
いきなり自キャラ設定の大いに絡んだものを投下してもなぁ
でも投下するために設定を延々と語るのもなぁ
とぷち葛藤
うちのこスキーですゆえ
引かれるほどうちのこを語りたい気持ちはありつつ
根はシャイなので(・з・)危険
やだはずかしいけしたいそのきおくごと!
ってなるの見える 危険
とりあえずさくぶんは折りたたみで投下
続く気がします 区切るの短すぎた
少年のひとりが城壁から身を乗り出し、腰を抜かした。
門番の頭が小指の先ほどに小さく見える高さだ、木登り程度の慣れしかない子供には無理もない。それまで地理を説明していた熟練兵士は青ざめた彼をあやすと、未来の後輩たちを見回した。
「おい、もう一度言うが、ふざけてると危ねぇからな! 見学で命を落とさないでくれよ、英雄の卵」
注意しながらも、さりげなく少年の心をくすぐる。
隣のそばかすは、先ほどの悲鳴で少なからず及び腰になっていたが、さっそく気を良くしたらしい。こちらを肘でつつきながら、「エイユウだって!」と浮かれている。
「そうだね」
はしゃぐ彼と対照的な気のない相槌を打ち、ノエルは外の景色に視線を戻した。
眼下には風の吹く広い荒野があり、向こうに見える山は隣国の土地。
こうして眺めている辺りにもあちらの兵士がいて、もしかしたら自分と眺め合ってるのかもしれない。同じことを考えたりもしてるかも。……そんなことをふと思う。
ここは国境近い都市。関係をこじらせて久しい隣国から国を護ることを義務付けられた、大きな砦だ。狭い国ながら緑豊かな地域はあるも、ノエルはこの殺風景な眺めの他を知らない。
けれど。
かたく乾いた風が薄い雲を無造作に押し流し、わずかな草をなぶる――目の前の無骨な景色に、戦争と同質の気配を感じていた。
周りの子供が夢中になるような“華”は、ノエルの戦争には存在しなかった。